書き下ろし MH3について
ハンター
根本的なハンターの立ち位置は変化無し。何がどう変化ないってのさ、という感じですが、要は「なぜ狩るのか」は変わることなくプレイヤにまかされる、ということです。無論蓋を開けるまで分かりませんが、今の所ゲーム側によって提供される達成目標を達成したらクリア、というものになったりはしなさそうですね。
あたりめーだろ、とお思いかもですが、売り手側がモンハンにもっとも疑念を抱いてる点はここですよ。明快な達成目標を設置したらもっと一般ウケすんじゃね?と売り手側は思ってます。
ですんで「狩りのマトリクス」などで指摘した全体像は引き続き有効と思われます。P2Gまでで形成していった自己像(ハンター像)の「作り方」は十分継続可能だと思います。
あ、動きの「感じ」も従来通り。いきなりカッコ良くなったりはしませんで安心しました(笑)。
フィールド
これも抜本的な変化はない模様。むしろより「採取に取り組んでくれよ」という誘導的な改善が成されています。
つまり、
一生懸命採取するハンターなんてそんなにいないよ
→採取はおまけ程度にしました
(あるいは直接有効アイテムが採れる様にしました)
ということにはならずに
ハンターは採取して準備するだろ
→目をむけやすくハードルを調整
となりました、ということ。
具体的にはピッケル・虫あみの仕様変更や、採取内容・ポイントに動きがある(未確認)かも、といった具合。店売りを絞るかどうかは分かりませんが、「採取派」ハンターはより楽しく暮らせそうですね(笑)。
フィールドバリエーションとしては孤島・砂原・(火山)・(密林)という感じで、バリーションのあり方(気候区分で分ける)も大まかには従来と同様。ただ、ひとつのフィールドが従来より多要素を持って広がる、というアナウンスがあるので、1フィールド完結型(というか特定フィールド根城型)の取り組み(「地域色という発想」など参照)は、結構視野に入っているのかも(街の複数化の可能性とあわせて)。そういう意味では従来の完全な気候区分よりも幾分特定の「土地」を指定する感じにシフトしているのかも。
あ、ポポがいるかもしれない…ということは雪山系もあるのかもしれないです。雪原(せつげん)か?
ところで1気候区分に複数のフィールドがあるかどうかという点ですが(砂原1・砂原2みたいな)、現時点では不明。ただし、気候区分での新フィールドの増設(次回作での)という手法は明らかに手詰まりなので、後述の多部作説が本当なら、あるかも。
モンスター
あからさまな疑似ターン性は鳴りを潜めそう。ハイここ斬って、と動きが止まらない。が、実態としては疑似ターン性は継続。「ここ斬って」タイミングはあるが、そこでもなんか動きつづけている、という感じ。完全な「動中動」にするとプレイヤ側のスキルは純然たる運動能力勝負となりますが、なるべくそう見えない様にしながらも疑似ターン性は内的に保持されるクサいので、おっちゃんも安心(笑)。
モンスターの連携についてはかなりガチ。群れが動的に陣を敷いたりするレベル。事前に強調していたモンスター同士の関係も結構マジ。バトルスタートでフィールド内の全モンスターが問答無用でハンターに襲いかかるということはなくなった。
でもアプトノスが子供を逃がすために陣を敷いたりするそうですが…人情的に狩れなくなっちゃったりしないのかしら(笑)。狩れない、という選択もあるということかしら。
スタミナシステムの実装やこやし玉大活躍(笑)、なんかとあわせて全体的に「単なるバトルものじゃないよ」というメッセージはかなり強烈。
で、以下は流出情報絡みなんであれですが(笑)、ボスモンスターは「竜種」に絞られる模様。鳥竜種・飛竜種・海竜種・魚竜種・獣竜種となるみたい。下の武器とあわせて「まずミナガルデ時代を解体・再構成する」という意志が相当に強い。
武器
大剣・太刀・スラッシュアックス・片手剣・ランス・ハンマー・ボウガンの7系統で一応確定アナウンス。双剣・ガンランス・狩猟笛・弓は「お休み」。全体的には上のモンスターと呼応して「ミナガルデ時代を解体・再構成する」という路線。双剣〜を「お休み」と表現したのは後述の「多部作」の線が濃厚でそのタイミングで再解釈、再投入の可能性が強いため。
MHdosからの武器種というのはミナガルデ時代のハンターのモンスターへの対応をよくよく観察した上で設計・投入されたものですから、おそらく今回も上の7武器種でハンターが(上で述べた動きの質がややシフトしたモンスターに対して)どう動くかを実際見てから後続武器の再解釈を行いたいのじゃないかしら。
この辺双剣に代わって太刀が入ってきたのがヒントかも。以前双剣乱舞をオート、太刀の気刃斬りをセミオートと表現しましたが、「動中動」に対応できるのはセミオート。双剣乱舞は何気に無印由来の「動きが止まる」疑似ターン性下にあって最大の効力を発揮します。逆に「動中動」の色合いが濃くなるとほとんど効力がなくなる。嫌乱舞厨の方は「ご冥福を…(ry」でしょうが(笑)、開発側からしたらあの仕様は多分消したくない。引き続き乱舞という形をとるかどうかはともかく、あんまりアクションが得意でないプレイヤが活躍できる手法というのは必ず入れたいはずです。
新武器スラッシュアックスは、いつぞやラームさんのお友達がぶち上げられてた「ガン太刀(ガンブレイド?)」の線が濃厚。いや、たまげたね(笑)。これは一番の「大技(まだ未発表ですが)」が決まるとモンスターの動きが一瞬止まるのじゃないかしら。でかい武器ですが、その本質は連携にあるのかもです。
お休み武器は残念なんですが…あたしもねー、結構本腰入れて狩猟笛やるつもりだったんですけどね。しかしそいつらはこれから伝わってくるのだ、という路線だとしたら、それはそれで大物ですよ。自分がそれらを「伝えるポジションのハンターなのだ」とか「試行段階の開発に携わってたら」くらいの気概でやってやろうかとも思いますが。
多部作説(笑)
ブログで述べたtri-/tri/tri+ とかいうタワゴトはともかく、3部作くらいになっておかしくない感触。武器種の限定もそうですが、ボスモンスターを竜種に絞ってきた点でその線はかなり濃厚。
重要なのは結果としての至る3作目、ではなくてはじめから3段階に分けてリリースする全体像を持って作られているのだろう、という点。今回の「次」は「建て増し」ではないのです。
そうなりますと問題なのが追加の手法。MHdosの時点で湧いて出た牙獣種・甲殻種・dos古龍種はミナガルデ時代はナニしてたんだ、という問うてはいけない問題がありましたが(笑)、今回は建て増しでない以上はなんかスマートに「湧か」せないといかんです。フィールド拡張とあわせてこの辺見物ですな。あの連中のことですから「tri-」内にへんてこな伏線はってんでしょうしね(笑)。
あ、普通にdos古龍種とか書きましたが、あたしは良く言われている「負の遺産を切り捨て」なんだとかは全然思ってないです。視点の置き所は「解体・再構成」。今回リリース(tri-)がミナガルデ時代の「解体・再構成」なら、次リリースはドンドルマ時代の「解体・再構成」。次リリースで再解釈された古龍種の登場も十分あり得る。
大体tnk古龍だのtnk武器だの言いますが、んなわきゃねーだろ、と言う(笑)。MHdos要素だって藤岡さんをはじめとする現MH3開発陣の作ったものです。ナナだってテオだって彼らの「子供」ですよ。多少思惑を外れるバイアスがかかったり、上手にまとめ損ねた所もあるのでしょうが、ならばなおのこと再解釈して再誕させるでしょう。わずか5年でここまでの再構成をかけてくる作り手のプライドと愛着をなめてはいけません。
全体を通して
ヒトコト言わせていただくと……
あたしってば今までいろいろと結構いい線ついてきたんじゃねえ?
みたいな(土葬)。