2009.04.16 胴無犬さん
[ 名前 ] 胴無犬
[ 件名 ] はじめまして
[ 本文 ]
はじめまして、同無犬というものです。
昨年の末にこちらを見つけて、鼻血が出るほど感銘を受け、以来毎日のようにうかがっておりました。来訪者の方々とLOGさんとのやり取り見て、いいないいな楽しそうだな、と思っておりましたが、なにぶん受験生の身でまた、親のパソコンをこっそりと借りているという身分でしたのでそれも叶わず、残念に思っておりました。先日、受験も終わり一人暮らしを始め、面倒な状態から脱しましたので、はじめてお便りさせてもらいました。
さて、今日はモンスターハンターについて疑問に思ったことがあるのでした。
何のことかというと、あの世界の子供のことです。
つまり、依頼文を見るとどうやら子供はいるようなのですが、ゲームの中にはほとんど(あるいはまったく)姿を現わしません。
勿論、ゲームに出てこないだけで本当はいるのでしょうけれども。
いや、まてよ。プレイヤーが目にしない、ということは主人公が目にしていないということです。つまり、子供たちは主人公から隠されているのでしょうか? たしかに、軍の方が言うように周りから見ると武器を持って集まり不穏な集団だと思われているかもしれません。親はそれを信じて、子供にはハンターに近づかないように言っているのかも知れません。
依頼に来る子供たちは小さなころから教え込まれたハンターへの恐怖を抑えて、なけなしのお小遣いを握りしめて、親の目を盗んで何かのために依頼に来るのです。
妄想ですが。
というわけで、少なくとも主人公の目の届く範囲には少年少女はいないのですが、彼らの代わりはアイルーたちであるように思えます。猫タクは別ですが、農場の管理や武器屋の店番、料理や狩猟の見習いなどは子供がやってもおかしくない仕事です。まあ、にんげんがアイルーキッチンの大きさの部屋に八人も詰まっているなんてぞっとしない光景ですが。
ええ、なんだか長いうえにとりとめのない話になりましたが、このあたりでおしまいとさせていただきます。
では、失礼します。
HUNTER's LOG
胴無犬さんはじめましてー。ようこそおいで下さいました。
只今絶賛更新停滞中でごめんなさい。いやあのですね、楽屋裏近況になりますが、今このサイトを作ってるソフトがエラいことになりつつありましてね。サイト内にブログが開設できたりしちゃうことになる、かも。ていうかGoogleの各種サービスがサイト内でシームレスに使えちゃうようになってしまうという…今日(16日)アップデートだ…そんなこんなでこのサイト始まって以来最大の環境変化に突入、かも、という感じなのですよ。場合によってはドメインの変更もあるかもレベルですので今しばらくご辛抱ください。
さて、お名前のインパクトでいきなり色々持っていかれてしまった観が濃厚ですが…思いっきり胴のない犬を想像してしまったじゃないですか(笑)。
お、ということは新大学一年生なのかしら。おめでとうございます。
いずれしばらくはこの世の春ですな(笑)。うちの周辺のモンハンブログなんかを覗いてましてもキャンパスライフが狩り場であるというケースもままある様なので新しい狩り仲間が増えることもあるでしょうか。
ここはひとつアタッカーハーフ仕様で構内をめぐってみましょうよ(笑)。
モンハン世界の子供たち
子供ねー。いますよ子供。
ポータブルですとP2オープニングムービーで元気に追っかけっこしてますな。次いでなんかポポにちょっかい出してる子もいる。これはP2Gのトレニャーさん版だとトレニャーさんになってますか。P2のオリジナルムービーもP2Gのギャラリーで見ることができます。
ポッケ村の子供たち
この「ポッケ村」の子供に関しては開発当初はもっと作り込まれる予定もあった様でして、「イラストレーションズ」には村の子供や、生活を共にする犬達(!)のラフなんかがあります。
ぶっちゃけ子供をNPCとして出すというのはデータ構造的に大変でしてね?ほら、子供ってやたら動き回ってないと「らしく」見えないじゃないですか。じーっと立ってる子供というのは結構怖い(笑)。で、その動きも一定の動きの繰り返しだと、それはそれで珍妙です。となると結構な量のモーションを仕込まないといけなくなりまして、ちとスペック的にも厳しくなると。すでに現行のポッケ村も遠景になるとNPC消えますね。ま、そんなこんなで。
あとは…ジャンボ村のパティなんかは子供と言ったら子供ですね。MH3の孤島の村にはすでに子供がいますし、これからマシン性能的な余裕が大きくなるにつれて出てくるかもです。
MH3
世界観的には小説版なんかでは普通に子供いまして、大人達が狩りに行く手伝い(キャンプを設営したり、荷を運んだり)しながら将来のハンターを目指している様です。大体リアルでも「生まれた時からの修練」のみが可能とするパフォーマンスというのは間違いなくありまして、ハンターなんかは正にそれでしょう。
あ、そうだ。"a side story"で、発見されたカエラがミナガルデの「ハンター養成学校」にあずけられている、なんて一文がありましたが、あれは結構「子供」がらみの裏設定があるのです。
やっぱりあの世界はハンター「死ぬ」と思うんですよ。小説版の主人公たちの親なんかもディアに挑んで亡くなったりしている。となるとですね、結構ハンターの親を持っていた孤児、というのは多いんじゃあないかしら、という。無論村の中で狩りの手伝いとかを与えてみんなで育てていくというのが多いでしょうが、ギルドもそういった養成学校でその辺りの子供たちをサポートしていくんじゃね?みたいな。
ですんで、ハンターのいる地域の子供たちはハンターに憧れて育つと思います。リオみたいにね。
しかし一方で、胴無犬さんの想像する「ハンターはおっかない」で育つ子もいると思います。都会の子ですね。都会と言ってもドンドルマとかじゃなくて、ヴェルドとかの行政的な都会のことですね。ドンドルマなんかハンターにしてみりゃ都会ですが、貴族連中からしたら未開の野蛮人の集る土地ですからね。
「なめらかな空間」
その辺りは「地域差」というのをしっかり差し挟んで考えると良いと思います。リアルでも中世なんかと言うと生まれた村から一歩も出ないで一生を終えるなんてのはざらだったわけです。山ひとつ向こうのことも何も知らないまま生きて行く。モンハンの世界もそういった面が多いのじゃないかしら。各地の狩場へ移動するハンターや商人の方が特殊な人で、それ以外は広域移動なんてまずしない。
だからヴェルドの一般市民なんかにしてみたら巨大モンスターなんかおとぎ話レベルでしょうし、「生き物の生皮剥いで身にまとってる」様なハンターなんざは超野蛮人に見えるのかもですね。そういった環境で育った子供はハンターを怖がるでしょう。
この辺も実は結構深いと言うか面白い所で、本邦の歴史なんかでも律令制の田畑(「仕切られた空間」)に縛られて生きてきた農村の人は、山野の「滑らかな空間」に生きてきた狩猟民や修験の人々を「鬼」や「天狗」のイメージでとらえてきた。これだけ狭い日本でもそうだったのです。そういえば「もののけ姫」では「地走り」という狩猟に特化した人たちが出てきましたが(猪の皮をかぶっていた人たちです)、結構不気味に描かれてましたね。
この「仕切られた空間」と「なめらかな空間」というのも大変な話ですので(それは権力構造とそこから逸脱する流動性の問題です)ここはこれまでにしておきますが、狩猟の本質に直結する問題なので、いずれ詳細にあたるかもです。
この辺のキーとしましてはヨーロッパだと十字軍〜百年戦争・大航海時代の一気に人が広域移動した時代。そして、その結果訪れたルネサンス〜博物学の時代。その辺りにあたると面白そうです。特に当時の博物学のあれこれを見ると、実見ではない世界の広さをどうやって空想していたか(つまりヴェルドの人たちがハンターたちの住む辺境をどう捉えていたか)という点へのイメージが大変刺激されますでしょう。
日本ですと網野善彦氏の一連の研究がクリティカルですね。「仕切られた空間」と「なめらかな空間」への連想は網野氏の甥っ子の中沢新一氏の「悪党的思考」に拠ってます。
話を戻しますと、子供はだから育つ地域によってハンターへのイメージに大きなギャップを持って育つということになるでしょう。そういった二人がどこかで出会うお話というのも面白いかもです。
あ、アイルーか。あれはねー(笑)。MHFで3姉妹が出たのとP2Gでオトモアイルーが出たのが重なったときに、萌えっ娘 vs アイルー論争が燃え上がってましたね(笑)。占めるニッチ的にかぶるものはあるみたいです。あたしはアイルーの方が良いですが。そういえば「子供が労働をしている」ところを描いちゃうとなんかバッシング喰らうという話を聞いたこともありますね。
いずれにしてもあたしもハンター以外の人ってなにしてんの?という所は大変考える所であります。商人とか「デデ砂漠の娘」でちょっと書き出しましたけど、そもそもハンターが入手したモンスター素材って武器・防具以外でどう使われてんのさ、とかね。その辺りは「なんで狩るのか」をダイレクトに支える点ですので「こんなんどうよ」というのがありましたら、どしどしお便り下さい。