2008.12.04 Vishnuさん
[ 名前 ] Vishnu
[ 件名 ] ボウガン
[ 本文 ]
初めまして、Vishnuと申します。
サイト様を楽しく見せて頂いております。(特に小説やアイテム解説等々)
円盤石の所を読んだのですが、前から気になっている事があります。
ボウガンは多種多様な弾丸を発射しますが、どうしてもその弾の口径が私には同じには思えないのです、
つまり LV3拡散弾とLV1通常弾は用途も違うわけなので形も大きさもそのほかいろいろな要素もあり、同じ規格では撃てないと思うんです。
そして、ボウガンは発射時に小さな薬莢と弾丸の発射軌道の途中で大きな薬莢が存在します、この事からカラ骨やカラの実などは小さな薬莢の方で、大きな薬莢はギルドや加工屋にオーバーホールしに行った時に貰うような物だと考えました。・・・・・・
すいません(・σ・)Σ!! 長すぎました・・・・・・
このままだと永遠に書いちゃいそうです。(自重)
HUNTER's LOG
Vishnuさんはじめましてー、こんにちはー。
まだあちらこちらと尻切れのままのところに目を通していただいて恐縮です。"a side story"にしてもビッケのメモ帳にしてもいかんせん「お手本」のない分野なので「誰も興味持たねんじゃね?」とか心配になりがちです。楽しい、と言っていただくと俄然燃えますね(笑)。
いやいやこのお便りには大変重要なポイントが入ってますので無理言っちゃってすいませんでした。
さて、そのポイントですが大きく二つあります。ひとつはご指摘の通りの「ボウガンてどうなってんの?」という点。そしてもうひとつは「どこまで整合性をつけるのか」という点。後ろの方がメタレベルの問題ですね。
・ボウガンてどうなってんの?
あたしもこの「口径問題」については長らく考えてました。種々の弾の径が同じとはとても思えない。
前提として、とりあえずボウガンのバレルはライフリングの概念はないとして良いんだろう、物としては単なる筒で、散弾銃やグレネード系の物と同じ大まかなガイドとして働く物なんだろう、というのがまず。
で、その「口径」に関しては弾種ごとにアダプタがあるんだと考えました。装填速度というのはこのアダプタを取り替える作業でもある、という具合で。だから多くの弾種に対応する(多くのアダプタに対応する)バストン系のヘビィはアダプタの取り付け機構がやや複雑で時間がかかる。対応弾種(対応アダプタ)を絞ったデュエル・メテオ系はこの機構が単純ですぐ換装(なんでこの用語って変換候補にないの?)できる。弾種と装填速度を兼ね備えたクイック・ミラ系はこの問題を解決した最新型破り式(弾倉とアダプタが一体ユニットになった、とか)、みたいな。
そうなるとじゃーあの射出時の「二つの薬莢」はどーなるの?ということですね。弾と一緒に前方へ射出されて割れる大きいのと、ボウガンの横に排出される小さいやつですな。
これはねー、あたし的にはやっぱり前方で割れるのをカラの実とかだと思いたいですね。作り方からしてもあんな感じで割れそうですし。デカ過ぎね?というのは…ま、デフォルメということで。やはり口径合わせのためのアダプタ状の物が一発で1個となると、なんか狩りに行くビッケの荷物を想像すると大変なことに…(笑)。
で、手元に射出される小さい方は撃鉄の役割を果たす「何か」みたいなんじゃないか、でどうでしょうかね。火打石的な物で、フリントロック式と雷管式の中間(折衷?)みたいな。
あれ?Vishnuさんと違っちゃった(笑)。
ま、こういう感じにも考えられる、という具合です。そして、これは「どっちが正しいか」「何が正解か」というところには実はその本質がないんですね。それが次のポイント、どこまで整合性をつけるのかという問題です。
・どこまで整合性をつけるのか
最近MH3(tri-)との絡みで特にこの話題が出がちなのでちょっと押さえておきましょう。すなわち「そんなのリアルじゃない」問題です。
詳しくはいずれ論じますが、根本的にゲーム内の現象がリアルの物理法則にすべて従っている必要はさらさらありませんね。ゲームにおいて重要なのは「ホント」か「ウソ」かではなく、「上手なウソ」か「下手なウソ」かです。
その辺深みにはまるとまたえらいことになるので軽くに止めまして、今回指摘したいのは、ではその上手なウソに乗って細かな整合性を考えて行くことの楽しみとは、ということです。
これは上にも書いた様に「正解探し」ではありません(少なくともモンハンにおいては)。かつて「物語は読み解かれるのではなく紡がれることでモンスターハンターの「用」を成します」と書きましたが、これはこのようなミクロな部分でもそうです。
Vishnuさんのお考えになったボウガンの機構、あたしの考えたボウガンの機構。それはVishnuさんの狩りとビッケの狩りにそれぞれ新しい局面を招く何かであると天晴なのです。単なる妄想では勿体ない。その発想をもとに次の狩りを組み立てること、モンハンはそれが可能なんです。
上に書いた様な射出機構が装填速度を律しており、また「カラの実」のところで書いた様な火薬使用の弾種とカタパルト式の弾種がある、という点が反動や装填数を左右する、という「マイストーリー」を立てたら「その線に適合している」ボウガンをチョイスして、その発展の歴史を繋いでみることだってできる。単独では老山龍砲についてシュガシュガさんが(「老山龍砲と歩く」)、ガンランスに関して包括的な視点でラームさんが(「銃槍記」)やっておられる様なことができるわけです。
こうなるともう「妄想族乙」どころの騒ぎではない(笑)。あるいはなまじのハンターの狩りの総体を超えちゃう質量が(質と量が)ひとつの想定によって生み出されてしまう。
すなわち、ここにおいてハンターは武器のチョイスに新しい視点を開くことができるのです。そのモンスターに最適な攻撃を繰り出すことができる(最効率)、このボウガンならそのクエストにもっとも自分の戦略を反映させることができる(アルバ改チャレンジ)などに続いて、自分が今考えているモンハンの世界では自分(のハンター)は、このクエストの時点でこの武器を用意するであろう、用意するのが自然だ…この視点が成り立つ。
こうすると、そのハンターの歴史(物語)、その世界の仕組みといった最大広域でとらえた「あの世界」がこのチョイスに折り畳まれることになる。これは相当強力な武器・防具の選択法です。
わはははは。なんだか大風呂敷が広がっちゃいましたが、つまり整合性への視線とは白黒つけるための物ではなく、そこから新しい狩りのあり方を導き出して来る、新しいあの世界を立ち上げて来る契機としてあるのが良い、ということですね。
本当にアイテムひとつから始まるモンスターハンター。
かつて「ハンターの世界」で何がその世界の生命力を決めるのか、と書きましたが、その「厚み」は自分で膨らませることもできる。その奥行きを持って立ち上がったモンスターハンターは、あるいは未だ存在しないのかもしれませんよ?