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HUNTER's LOG on PORTABLE

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2009.02.23 ラームさん

0223a.jpg
『老人と森丘』

topV02s.jpg
HUNTER's MAIL vol.2

w150_2.gif

[ 名前 ] ラーム
[ Link ] 老人と森丘
[ 件名 ] G武器や、ああG武器や、G武器や
[ 本文 ]

ご無沙汰しております、ラームです(ぺこり)

ナウシカといいますと、子供心にクロトワみたいなおっさんになりたいと思っていた事を思い出す自分です(爆)
あの作品でまず心惹かれたのはガンシップやらトルメキアの重装兵でして、やはり三つ子の魂なんとやらか……と思わずにはいられません。
もちろんそれ以外にもあの作品には心惹かれたり、考えさせられる事が多いのではありますが(笑)


閑話休題しまして、今回はちょっと重苦しい事についてご意見を伺おうと思って参上しました。
それはP2Gにおける「G」武器の存在についてです。

個人的に武器の性能としては、彼の武器群はなかなか上手な設定をしてあると思っています。
しかしながら何故直接生産、それも最終緊急クリア後に登場するのか……。

相方は雌雄の飛竜刀の強化が最終的に一つしかなく、残念がっていたところに雌雄の「G」型が登場し「なんだそれは……」と半ば呆れかえっておりました。
そして、同様のパターンは他の武器においても何種類か確認されています。
(物によってはG級武器のG武器が存在したり、本当に一体何なのか……)

なぜ、「G」武器を既存の武器強化ルートに組み込まなかったのか。
なぜ名前が全て「○○G」なのか。なぜ解説文が統一されているのか。

そういった武器が自分がこれまで共に歩んできた武器と同じ姿、そしてそれを越える性能を持つ事に、我ながら醜い事に黒々とした感情が湧き上がってくるのを抑えきれません。
よしんば何かスケジュール的な事情があったのだとしても、この仕様であればいっその事「無かった」方がまだましなのではないか……とすら思っています。

でも一方で、そう思ってしまう事が苦しいです。
自分はモンスターハンターの世界に在る全ての武器に存在する意味があると思っています。
しかし、G武器群に関しては今のところ「自分にとっての」意味が見出せないでいるのです。
スノウギアGなどは相棒の姿形を受け継いだ「兄弟」でありますし、何度か実際に手にとって狩猟に赴きました。
しかし最近では同じ装備品枠にある水色の銃槍アイコンが目に入ると、それを手に取る気が失せてしまいます。

自分はdos古龍由来の武器など「好きではない」装備はありましたが、それでもいざ使ってみるとそれらの特徴と言いますか、格好つけて言うならば「息吹」のようなものが感じられ、意外に悪く無いなぁと思う事が多かったのです。
しかし、G武器はいくら使ってもそれが感じられない。
自分の思い込みがそれを妨げているのだ、という事は自覚しているのですが……。

この武器群は、なぜ我々の前に現れたのでしょうか。
何かのメッセージが込められているのか、それとも単なるオマケであるのか。
(単なるオマケであると言うのならば、自分にはそれも辛い事ですが)
そしてこの仕様は今回限りであるのか、それとも今後に続く何かを含んでいるのか。

……以上のような感じで、G武器に関してはずっと思考がぐるぐると回っております。
こんな事を吐き出してしまうのは見苦しい事ですし、ご迷惑かとも考えて今までは一人で考えておりましたが、自身の狭い枠の中でばかり思考を巡らせても仕方がない、と思い直して今回便りを記している次第です。

難しい質問でありますが、G武器についてHUNTER's LOGさんが感じられている事を伺えればと思います。
「武器は武器なのだから、気にせず使っちゃいなYO!」でも全く構いませんので(笑)

それでは、ひとまずこの辺りで失礼致します。

HUNTER's LOG

ラームさんこんにちはー。

ちょっとふり回しますぜー!ということでクロトワモードでお送りいたします…ていうか、なぜか某巨大掲示板のG武器スレッドに晒されていた(うふふ、知っているのだよ)このあたくしがお答えいたしましょうのコーナーです(笑)。

将棋に盤外戦ってのがあります。
素人の横好きには縁のない話ですが、プロ棋士の対戦では勝負開始で一手指す前、そして指している手の間にも盤外で様々な勝負が繰り広げられる。それは、ちょっとした一言であったり、立場によっては政治的な圧力だったりもする。はたまた対戦中には手駒を並べた上でちょっと「迷い箸」をやってみせて、相手の読みのミスリードを誘ったりもする。

今回の一件はまさにこの「盤外の一手」をどう読むかの問題です。ラームさんの混乱はこの一手を「盤上で」読もうとしてしまったことによるでしょう。

最初に一番「世知辛い」点を明解に指摘しておきますが、おそらくこの先モンスターハンターの開発陣はこの「盤外の一手」に頼らざるを得ない局面を多々迎えていくことになります。ミリオンオーバーを前提として億の資金を投入して一社のフラッグシップを作るということはそういうことです。ましてや世界展開を本気で目指すと言い切った以上はなおさらそうです。そういったものが無印の様に純粋なプロトコルのもとに完成することは「有り得ない」。

しかし、あたしはそれを「昔は良かった、悲しいことだ」という感想でくくるつもりは毛頭ありません。なぜなら開発陣はその「盤外の一手」を打ってきてるからです。

そこは誰の出番なのかと言ったら、当然「ハンター」の出番なのですよ。

では、P2Gの概観から順を追っていきましょう。

P2G

まず、G武器と下位防具の限定解除強化が実装された理由はひとつです。

「ごめん!」

ですね。

下で詳しく述べますが、ポータブルシリーズの請け負った役目というのはどうしても本来のモンスターハンターから外れてしまうものになってしまう。で、外れちゃったんだけれどもトップの一瀬さんからして無印以来の古参ですしそれは心苦しい。ですんでせめて本来のイメージに近い取り組みができるものをアーカイブしておきたかった、というのがG武器であり下位防具の限定解除強化であると思われます。モンハンこんな風にしちゃったけどごめんよー、これ入れとくからここは勘弁してくれー、という感じでしょうかと。

この仕様というのはだからほとんど「丸投げ」なんですね。名前も解説もなぜああなのか、というよりその実体は「空欄」なんです。一通りやって以降なお次作までP2Gをやり続けんだというハンターさんたちはその空欄を好きにうめて遊んでくれ、という。

さて、ではそのポータブルシリーズの役目ですが、これはもう「若向け」に再構成する、という一点ですね。正規ナンバリングタイトルのモンハンでは「もっさりしていてださいじゃん」と思っちゃう子達に訴えるものにしなきゃならなかった。

うちにお便り下さるお若い方達なんかはこちらがびっくりする位シックなこと言いますが(笑)、これは例外中の例外でして、主に中高生相手に300万本売れた原動力はやはり「分かりやすい見た目と性能」へモンハンを崩した結果でしょう。

Gクラス防具で集会所に並んだら「何じゃこの怪人達は」ってな具合になってしまう。武器も究極だったり夜露死苦みたいだったりしてしまう(笑)。

要は全体的にウケ狙いになったわけです。

結果これはウケにウケてトリプルミリオンとかいう状況となったわけですが、もとよりこれはモンスターハンターの「オリジナルの世界像」の整合性を外してやる、という点で可能であることです。だって、ポータブルの最大の眼目である「ちょっと頑張ったら俺TSUEEEEEEができる」という高校生4人集まった時に一番ウケる設定というのは(笑)、ベースのモンハンからしたら対極ですしね。でも、それははじめから会社側からの優先度最上位の指示でしょう。

つまりポータブルの開発陣はモンハンを壊すこととモンハンへのリスペクトの間で頑張ったわけですが、もとより「そこの開発は許されていない」部分を放り出せずに何とか入れ込んだ結果がG武器であり、下位防具の限定解除強化だった、とまあそんな筋書きであったと思います。

G武器などは詳細を整備する・ルートに組み込む時間が足りなくてああなった、ではなく、そもそもその路線を整備する時間は与えられていなかった、が正解でしょう。整備しちゃったら・組み込んじゃったら「若向け」というコンセプトを否定する(とは言わないまでもコンセプトが曖昧になる)ことになっちゃいますから、ぶっちゃけ企画が通らないでしょう。
分かりやすくカッコ良い武器防具でポータブルを進めて行く上で、従来の「モンハンらしい」武器防具は本編ルートからはパージせざるを得なかった。でも無理矢理入れ込んではおくぜっ!古参達、あとは頼んだっ!ということでしょう。この「あとは頼んだっ!」がメッセージであり、盤外の一手です。

その仕組みが上手くいったかどうかはともかく、狩り生活の長くて深いハンターさんたちのためにもなんか入れ込みたかった、という思いによるものだというのは汲み取ってあげましょうよ。

G武器

ですんで、額面通りモンハンの「あの世界」で技術革命が起こってG武器が開発されたとか、鎧玉システムで下位モンスター素材の防具もこれこの通り、とか考えるのは無理な話ですし、開発側からしても「ちょーっ、それはーっ」と言った所でしょう。

色々な遊び方狩り方を展開してきた古参達に向けてですんでそのラインナップも一貫性というよりは「全入れ・お任せ」の文字通りアーカイブということでしょうね。G武器すべてを一貫したストーリーの上で展開してくれ、というよりも、好きなの選んでやってくれ、みたいな。

と、いうことで、G武器の活用というのはまさに古参のセンスを表明するものになる、ということになるのですよ。P2G本編のどこがモンハンとして崩れちゃってるか、その崩れたとこにどういうパッチを当てたら良いか、そのためのチョイスをどうするか、そうやってG武器は見ていくのが良いでしょう。

例えばご指摘の飛竜刀ですが、あの辺りの「崩れ」の原因は亜種・希少種の扱いが本来とまったく違ってしまった所にあります。こいつらは「めったにお目にかかれない」とうのが本来です(MHGを思い出しましょう)。ですんで、武器の最終強化が亜種・希少種のモノとなることは本来稀だった。あってもそれはレア装備のたぐいであって、原種ベースの強化は強化で最後までいっていたわけです。金銀ベースのライト系は存在そのものがボーナスでしたし。

しかし、これが今や亜種・希少種は当たり前に出てくる「強化版」となってしまった。ですんで従来種の武器系統の最終強化は亜種・希少種ベースのものに「分かりやすく」ほぼ一本化されることとなったわけです。

で、「いやそりゃ変だろ、銀の飛竜刀ってどんだけ伝説なんだよ、あ?」という古参はG武器から「本来のモンハン像」に適合した飛竜刀(原種バージョン)をチョイスして、そういう世界観を再現してくれ、となるわけですね。そのハンターにとっては飛竜刀Gは飛竜刀【朱雀】だったり、飛竜刀【もえぎ】であったりして良いのです。

スノウギアに関してはより単純に、「俺TSUEEEEE」を表現できない「敵」であるドス系モンスターがGクラスから一掃されちゃったというきわめて厨な展開によるものですな。ここにどうパッチを当てるかは…それこそラームさんをさしおいて誰にできるってんですか(笑)。

同様のことは難易度についても言えます。

P2GのGクラスの難易度というのは先程も述べた通りに「俺TSUEEEEE」がやりやすい難易度です。スタート直後は何じゃこりゃと思うつらさですが、武器系統を最終強化するとガッツンガッツン行けちゃって、P2上位より楽なんじゃねー?という感じになりますね。

で、それはどーなのよ、という場合は同銘柄(笑)のG武器を持ち出すと程よく難易度が上がる、みたいな。

本編武器が厨武器過ぎんだろうと思いましたらG武器でお試し下さい、という感じでしょうか。

その辺りどの辺持ち出して「パッチ」とするかというのはハンター次第なので…「いやジークムントこそ至高」というのもいますし、「ゴーレムブレイドの骨色こそが大剣なんだよワッかんねーかなー」というのもいますし(笑)…という「ハンターはわがままだからなー」というのが一貫性ではなくて「全入れ・おまかせ」となったわけでしょう。

下位防具の限定解除

こちらはより分かりやすい。
以前言った防具のデザインバリエーションを一部実現しているのだと思います。ノーマルを強化したらGクラスに通用した、じゃなくてXZクラス防具のデザインバリエーションとお考えください、みたいな。

防具の方がデザイン的にご勘弁なものが多いですしね。"a side story"でメタペタットのウォルフが特注で旧タイプのデザインでGクラス相当のフルフル防具を作らせていましたが、要するにああいったものだと想定するわけです。素材的に直接は反映しませんが、そこは自分でX防具相当の素材を集めてから鎧玉強化をしたら良い。

スキルが付きにくかったりしますが、その辺はむしろ妥当でしょう。

防具というのは数字の集合であってはならない、というのは「防具のイメージ」などでも再三述べましたが、どのような防具を選ぶのかはハンターのあの世界への世界観そのものであるとも言えます。

あたしはかつて(気の早いことに…笑)「武器について」

「文脈に適合していたアイテムの削除は行うべきではなかったのです」

と指摘しましたが、限定的かつ丸投げ的であれ、文脈に適合していたアイテムの削除を避けようとしたのがG武器・下位防具の限定解除仕様なんだと了解しています。

そんな感じで。

どれも「だったら正規ルートでそうすりゃ良いじゃん」と言いたくなるのももっともですが、若向けにも古参向けにもなる全体を構成する予算なんか下りない。ポータブルシリーズは若向けに特化するのが使命なんですから。

要は「仕方ねーなー」ということになるのですが、それで話はおしまいだったら、極論ポータブルやんなきゃいーじゃんということで良いんです。しかし、開発陣は上に見てきた様に「盤外の一手」を忍ばせてきた。そして「そこにどう対応するか」はポータブルに限った話ではなく重要な点なのです。

ここから一枚皮をめくると、この問題が将来へ向けて下手すりゃ最大の焦点になるかもしれない問題の提起となります。以降、少々大風呂敷の広がる先を覗いて(笑)、振り返って足下を見るヒントとしましょう。

ツートップ

端的に言いましょう。
モンスターハンターの世界を守っていくトップは開発側とハンター側の双方に起立すべきです。ツートップで動いていくのが望ましい。

日々立ち下りる狩り場。それがどこだろうとそりゃあどこでも不満を生じるものを抱えているでしょう。これはモンスターハンターの規模に応じてハンターのスタイルの幅が広がれば広がるほどそうなります。規範となる正規ナンバリングタイトルからしてそのキケンから逃れられないのはMHdosでご存知の通りです。

はじめに述べた様に、これはもう「仕方がない」。

万人の認める唯一のモンスターハンターなど望むべくもない。すでに世代の先端では世界観を大事にしたいという動機すら否定されてきています。いやまじで。「世界観厨の老害は消えねーかなー」とか結構当たり前に言われてるんですよ(笑)。

これを開発だけに頼って一本化してくれというのは最早無理な話なんです。仮に藤岡さんがその象徴だとしますが、彼が「こう遊べ」と言い切るわけにはいかない。もしくは彼が会社にモンハンは泥臭くてもっさりしているものなのだと力説しても、「そうじゃないポータブルがいっぱい売れたんじゃんか」と言われてしまったら、彼個人の価値観をこえた何を見せて説明したら良いのか。

よしんば藤岡さんが踏ん張ったとしても、では彼がいなくなったらどうするのか。誰がモンスターハンターを守るのか。

「いやハンター達はこうやってるんです」と胸を張って見せられるものをハンター達が作り上げてないとするならば、ハンター達は一体何をしてたんだ、ということになるんじゃないでしょうか。

あれは変だこれは嫌だと嘆きたくなる仕様も多々ありますが、じゃあ「何が変ではないのか」「何が良いのか」。良いと思う部分があるならそれを抽出して囲い込んで、「これがモンスターハンターである」というガイドラインを作ったって良いのです。

それが、あたしが以前「中帯域のマトリクス」としてあげた「ソーシャルストーリー」の本質です。Generation3としたハンター達のネットワークの、これが中心課題となるでしょう。これはちょっと再録しておきましょうか。

m2.gif
中帯域のマトリクス

パーソナルストーリー(PS)とソーシャルストーリー(SS)
個人の突き詰めるバックグラウンドが多くのハンターに共有される(実際のネット上の狩りにおいて、ということです)ことがあったらハッピーバラ色でしょうが、現実にはそういったことはまず起こりません(笑)。と、言うよりも「そうなることに疑問がない」幻想の方がタチが悪い。
個人的には共有を目的としたバックグラウンドと、個人の突き詰めていくバックグラウンドはその形態においてもプレゼンテーションの仕方においても別項としてデザインされるのが良いと思っています(「別物」とは違いますよ)。
実際問題としてもソーシャルな枠組みがはっきりしすぎてしまえばパーソナルな展開がし難くなりますし。パーソナルストーリーが紡がれていく余白を狭めない様に公式のガイドラインは引かれていかないといけないでしょう。
…ていうかソーシャルストーリーてそもそもなによ、という点ですが、これは何とも「未だ存在しない何か」だとしか言いようがないです。ゲーム内で見聞きできるものがまずあり、公式ムービーがあり、次点で公式認定の小説群・wiki群があるでしょうか。が、これらも実際のネット上の狩りにゲームシステム以上の共有されるバックグラウンドを提供するには至っていません。
限定的にはMHFでそういうことをやる人達が出て来るんじゃあ…と思ってましたが(猟団内で一定のストーリーを共有・展開していく、とか)、ちょっと見かけませんね。

モンスターハンターのGeneration3

モンスターハンターというゲームシリーズ、という大きな枠のそれは大体以下の様に捉えています。
Generation1 無印
Generation2 MHG〜MHP2G
Generation3 MHtri-
これはゲームプログラムの中身による区分というよりも、ユーザサイドの動きを見ての区分という点にご注意。ブログなんかを見て回ると良く分かりますが、モンハンブログの形態というのはMHG時代にほぼピークを迎えていて、MHdos〜ポータブル・フロンティアを綴るそれはMHG時代に出来上がった「読み書き」の踏襲になっている、と思います。
MHdosというのは正規ナンバリングタイトルなんですが、ユーザサイドはMHGで確立した狩りのスタイル・記録のスタイルをほとんどそのままMHdosで履行しています。ここでは世代を上げるギャップは発生しなかった、と見て良いでしょう。
さて、tri-に向けてゲームそのものはどうなるのかと言いますと、この点少なくとも開発側は無印由来のリソースの多くにポターブルシリーズやフロンティアで自爆的な拡張を許している(笑)。直結した「続き」(悪く言ったら使い回し)はもうやらないよ、という考えはかなり早くから出してきてますね。
ですんでユーザーサイドもそれと呼応した「新しい読み書き」を「この次からは」展開していかないと…と思ってます。あたし自身はそのための下準備はもうはじめてるつもりでして、逆にここまで(MHP2Gまで)はG2の記録として切りを良くしないと、というのがあります。ま、G2と言っても、うちのサイトというのは「ここまで」はあまり上のロードマップと関係ない「個人の動向」であったのですが、逆に「次」からは全体のユーザーの動向にコミットしていくことが眼目である、と考えています。


そして、これがモンスターハンターの「盤外戦」です。

提供された作品の部分を切り取って囲い込みのモンスターハンターを再構成するのはその作品の否定じゃないのか、自らモンハンへの信頼を崩してることになるのじゃないのかと言うならばそれは誤りです。すでにそのポイントは超えてしまっている。

P2Gに限らず現在進行形のモンハンタイトルはその開始当初から矛盾するベクトルを内包せざるを得ない状況で生み出されている。そこから目を逸らせても仕方がない。むしろ、そうであるからこそ「これがモンスターハンターだ」というハンターの表明は次のモンスターハンターを開発が立ち上げていく際の武器になるんです。

中空構造と布置

さて、ではそのようなハンター側の提示する「モンスターハンター」を示すソーシャルストーリーがいかなる結構を持って成り立つのかと言いますと、これまた大変気の早いことにあたしはかつてこう書きました。

では、その方法はというと、考えられるうち、有力かつ今風なのが「共有」によるものなんじゃないかと思います。
開発側は、その最大の枠組みと、各ポイントで焦点となる「種」を用意し、それをユーザサイドに提供する。ユーザサイドがその「種」から無数のサイドストーリーを育てていく。このようなあり方が、重要になってくると思います。要は白地図と素材を渡せ、ということですね。
モンスターハンター論『ハンターの世界』

しかし、あまりに漠然とした集合では「基盤」になりませんし、そこにどのような「再編成」が起こるのか、また、起こらせたら良いのか、そのあたりがまだ霧中、ということです。単純に欧米なんかでありそうな「全国ハンター集会」みたいなトップダウン式の組織づくりなんかとはまるで違うものになるだろう、というくらいのことしか見えませんね。
モンスターハンター論『明日へ架ける橋(習作2)』

この辺りもうちょっと突っ込んだ見解を述べておきましょう。

「トップダウン式の組織づくりなんかとはまるで違うものになるだろう」とは、別段日和ったことを言ってるわけではありませんで(笑)、日本型の組織は中心からの強権に依拠すると長持ちしないという実際の観察例に由来するものです。

この一文も半ば「モンスターハンター論」化してますので(笑)、詳細はよそに譲って少々端折りましょうか。

0223b.jpg
河合隼雄『中空構造日本の深層』(中公文庫)
→松岡正剛氏による書評はこちら

日本型の組織は中心が空(から)で、「周辺に」自然発生的に自己生成してきたものが上手く機能する、という論です。世の社長さんがいかに働いてねーかを思い出しましょう(笑)。強力な中心が打ち立てるシステムというのを日本人は本気では信用しない所がありますね。自然と成立してきた繋がりの方に本気を乗せて行く。

この「周辺」へ立ち上がってきたものが緩やかな連絡のもとに繋がって行く様をここでは「布置(コンステレーション)」として捉えたいと思います。

コンステレーションとは『星座』のことである。しかし、私の専門のユング心理学では、心の中の状況と外的に起こることがうまく合致して、全体として何かが星座のようにまとまることをコンステレーションと呼んで、大切に考えている。
河合隼雄

河合さんは時々大変ロマンチックな表現をされますので、上の様な感じですが、もうちょっと冷静に表現しますと「自ずから成る」状況、その把握というのがコンステレーションの重要な所です。あまり指摘する人がいないんですけど、この点構造主義の言う「構造」とコンステレーションは実はコインの表裏だとあたしは思っているのですが(ソシュールのアナグラム、とか)。

「こうでなければならぬ」とやった結果ではなく、それぞれがそれぞれの自発によってモンスターハンターに自分の本気を乗せて行った結果、それが各所で立ち上がって行き、その連絡があたかも星座の様な「形を読み取れる様な」一定の布置を見せる。

そうやって立ち上がるものが「ソーシャルストーリー」を成して行くとあたしは思っています。先にあげた気の早い指摘で「共有」や「トップダウンではない」といった表現をしていた背景はこういったことでした。

そして、そうであるならば重要となるのは「組織作り」ではなく「それぞれの本気」になるんだとあたしは思うのです。

本気のコンテンツ

ツートップでソーシャルストーリーが成立しちゃったら、それはハンターを縛ることになるんじゃないかしら、パーソナルストーリの広がる余地と矛盾するんじゃないかしら、という疑念が頭をよぎりますが、そこはそうはならないのです。ハンター側に形成されるモンスターハンターの規範とはダブルスタンダードであってもトリプルスタンダードであっても良い。

それはすでにスタンダードと違うんじゃないかとなりそうですが、それを成立させる要が「本気」であるとあたしは考えています。

上で見た様にソーシャルストーリーの結構は中心に依拠しない布置によって形成されるというモデルなんですが、このことからも分かる様にそのひとつひとつは統一的な規範に従っている必要はない。

いわば狩りのスタイルというのは「ポジション」でもある、とあたしは思うのです。レフトがライトに「おまいは左翼に飛んで来る球はぜんぜん捕らないじゃないか」と文句言ったりはしない(笑)。馬鹿みたいな話ではあるんですが、これを言っているのが今のネット事情です。おまいのやり方はおかしい、そんなの…あーじゃこーじゃ。ネットの世界というのはかなり広く文句を言うレイヤーを取り違えている。

ま、それはともかく、複数のスタンダードが成立する条件というのがここにあるのです。相手のやり方に納得いかなくても、相手のこねる理屈に納得いかなくても、相手の本気に納得することはできます。そこに成立して行くのがコンステレーションであり、ソーシャルストーリーなのです。

本気というのは別段暑苦しい態度で挑めということでなく(笑)、それを見た人が「ヤベエ、こいつマジだ」と思うものが立ち上がって行くことが重要だ、ということです。複層的な規範というのはお互いに介入しない不活性さによって成り立っているうちは効力を持たない。お互いが違ってもその根底にある本気を認めてかかわり合って行くことによって効力を持つのです。そこに生まれる「空気」が、未来へ続くモンスターハンターのゆりかごとなるでしょう。

モンスターハンターが誰かさんによってあさっての方向へ飛び去っちゃわない様にするのは、この「空気」であるということになると思うのです。「なるほどこれはモンスターハンターだ」とハンター達を唸らせる、それはまず第一に狩猟録であり、そしてその世界の探求であり、紡がれた物語であり、描かれた一枚の絵であり…そういった「なるほど」を提供する本気が星座の様に結びつきつつ浮き上がってきたら、それは、その空気はきっと次のモンスターハンターを守ると思います。

おわりに

とまあ盛大に風呂敷が広がっちゃってわけわかめになりつつあるので、折り畳み方にちょっと触れておしまいにしましょう。

そもそもG武器の妥当性がなんでここまで大きな話になっちゃうのかという点に関しては、最も良くそれを示しているのがラームさん自身であると言えましょう(笑)。たまさか今ここを読まれてる他の読者の方向けに説明いたしますと、このラームさんという方は上位に上がって程なく作製できる「スノウギア=ドライブ」というガンランスを相棒としてGクラスのラオであるとか黒龍であるとかと渡り合ってしまったという方です。

そこにどれだけの「本気」が必要であることか。

ラームさんは「G武器って変じゃね?」と軽々しく言っておられるのではない。スノウギアに乗せた様な本気をこの先も乗せて行けるモンスターハンターであるのか、その心配を持ってここに来られたのです。

その基盤はどのようにして維持されて行くのか、最終的にはそこへのパースペクティブから振り返ってきて初めて本質的に成り立って行くのが武器の意義であり、防具の意義であり、モンスターの意義であり、狩りの意義なのです。

前半で述べた「盤外の一手」も、そのような「モンスターハンターがどのようなものであるかの空気」を形作って行くために必要になる経路であると捉えていくことになるのです。

それは開発側からの提示を「本気で読む」ということでもあり、あるいはもうそこまでいったら「リード」ではなく「コンストラクション」であるともいえるでしょう。

確かに、そんなモンハンは知らないよ、俺の知ってるモンハンが帰って来るまでもう良いよ、というのもひとつの見識でしょう。しかし、それは今まで名作が出てシリーズ化されて崩れていきましたという幾多の局面のひとつが繰り返されるだけの話になってしまいます。

モンスターハンターは従来のゲームが越えられなかった壁をいくつも乗り越えてきました。それはゲームの内容単独でではなく、そこに係ったハンター達が乗り越えてきた壁でもあることをわれわれは「モンスターハンター論」を通して見てきました。

そしてそれは開発側も知っています。開発陣の置かれた状況の枠を越えても、ハンター達が「モンスターハンター」を維持して行くための盤外の一手を打ってくるというのはそういうことです。そうであるならば、あたしは次の壁だってその次の壁だって越えて行けると思っています。

何度でも繰り返しますが、モンスターハンターはハンターが働かなかったらモンスターハンターに「ならない」のです。あのゲームを単体で評価することが難しいことは無印の時から開発陣も了解しています。彼らははじめから「あとは頼んだっ!」と言っている。あたしは最近あのゲーム内の記号が一貫して凹面で構成されていることに気がついてそれを確信しました。

「魂を継ぐもの」

今回の一文で、あたしはその経路がゲームの「盤外」へも広がるものであり、そこへの視線は大変重要となるものであることを示そうとしました。

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